2016
05.26

つながる支援パックの行方(6)

事業:つながる支援パック

~「つながる支援パック」は、ひとり一人の願いの輪~

4月27日夕方、渡辺さんが2トントラックで小山町から浜松まで来て、「つながる支援パック」を積みこみ、翌朝、熊本県上益城郡嘉島町子育て支援センターあいあいに搬入するということになりました。私たちは、それまでに梱包を済まさなければなりません。なかなか物資が集まらず、梱包作業は物資を送り出す前日にすることになってしまいました。

急遽、ネット上で「つながる支援パック」のセッティングと梱包、翌日のトラックに積み込む作業などを手伝ってくれるボランティアを募集しました。実際には、ぴっぴのスタッフが無理して作業をすればやれないことではなかったかもしれません。しかし、それでも敢えて募集をしたのは、たくさんの人々が寄付してくださったお金でセットする善意の賜物、「つながる支援パック」に関わってもらえれば幸いだと考えたからです。

数人で手分けしてセッティングしていくと、流れ作業で早いのはもちろんのことです。お手伝いに来てくださった方々に「災害時に乳幼児やアレルギーの子どもにはこうしたものが必要となるんだ」と理解していただくことにもつなげたかったのです。

つながる支援パックみなさんに協力していただいたこの日、まだ、集められない物がありました。運び出す当日の朝、ぎりぎり揃うということ。たとえ遅れても渡辺さんが到着する前までにはなんとかしたいと心配でした。しかし、幸いなことに予定どおり午前中には物が揃い、あとは今日届いたものの梱包作業のみ。たまたま、浜松子ども館から打ち合わせに来てくださっていた女性スタッフおふたりに、「つながる支援パック」についての話をしたことから、「被災した子どもたちのために梱包を手伝いたい」と願い出てくださいました。そこで、お言葉に甘えて力仕事もあったのですが、手伝ってもらいました。そして搬入当日も、トラックに積み込む力仕事にボランティアの方々が来て手際よく搬入を手伝ってくれたのです。

翌日の4月27日の夕方、渡辺さんがトラックで到着しました。これまでご本人とは電話では話したものの、初対面の方です。

地震発災後、すぐ熊本まで走り、様子を見てこられ、「支援物資はたくさん来ていている。しかし、山積みになっており、必要な人に必要な物を持っていかないと渡らない様子」と渡辺さん。

「つながる支援パック」に寄せる私たちの思いと、渡辺さんの被災者がたいへんな生活を強いられないように支援したい思いとが、対面で話すうちにさらにつながったような気がしました。

渡辺さんが旅立って行ったこの日、トラックが見えなくなるまで、私たちは何度も手を振って見送っていました。

熊本地震が起きて「熊本で困っている乳幼児親子を助けたい!」と「つながる支援パック」を送るために奔走した2週間。怒涛のような日々でしたが、いちばん私たち、ぴっぴのメンバーが実感したのは、被災された方々に何か役立ちたいと多くの方々が熱い思いを寄せてくださったことです。「つながる支援パック」はネーミングのとおり、ひとり一人の願いの輪がつながって、熊本へ送られたのです。

その後、「つながる支援パック」が熊本でどうなったのか、追っかけをしてきました。それについては、後日、ご報告していく予定です。

(hiro)
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熊本地震「つながる支援パックの行方」シリーズ
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