05.25
つながる支援パックの行方(5)
~救世主、輸送ボランティアさんが現れた!~
「資金はなんとかなる!」そんな気持ちは持てたものの、ニーズが変わらないうちに「つながる支援パック」の中身を揃えて送らなければと焦るばかりです。
災害時の支援物資だから特別、企業から物を提供してもらえるかといえば、そうではありません。自己調達です。そのため、バッグの中に入れる10品目リストを見ながら、数を揃えていかなければなりません。最近はネット注文で買い物ができるので便利になりましたが、熊本にいる孫のためにとか、友人家族にとか、私たちと同じ考えを持つ団体もあるのでしょう、既に在庫がほとんど無い物もありました。
「つながる支援パック」調査等でずいぶんとお世話になった企業の方に連絡をとり、なんとかならないでしょうかとお願いもしました。在庫を調べてメーカーから取り寄せる努力をしていただいたのですが、こちらで被災地へ送ろうと決めた期限までにはすべて調達できないとのこと。できる範囲でやっていただけたことに感謝しつつ、足りない物を調達するため、スタッフみんなが市内のあちらこちらを回ることになりました。そして時には夜遅くまで走り回りました。
それでも、十分な数を揃えられなかったのが、アレルギー用のミルク(スティックタイプのもの)です。被災地ではアレルギー用ミルクは不足しているのではないかと危惧してしまいました。そこで、仕方なく大きな缶ミルクを調達しましたが、持ち運びやすく、小分けにできるスティックタイプのミルクは特別であるがゆえに不足がちになったのかもしれません。
物資調達のため走り回るのと並行して、「現地に物資を運ぶにはどうしたら良いのか?」という壁にもぶつかっていました。
すでにニュースでは支援物資が全国から集まり、受け入れ困難な状況にあると報道しています。こちらでもたもたしているうちに、「もう、いらない」と言われたらどうしよう?!
はやる気持ちと共に、輸送手段についてみんなで話し合いが始まりました。当時は、九州自動車道もかなり再開されていましたが、渋滞がひどいという噂もありました。
私たちが輸送手段として考えられる候補は、宅急便、ゆうパック、引越しの運送業者に依頼するという3案。見積りを早急にとると、4、5万はかかりそうです。それに、宅急便などにしても荷物が配送不能(荷受け中止)となっており、救援物資を宅急便で送ろうとしても配送できないという情報もありました。
ほんとうにピンポイントに指定場所まで着くのでしょうか???
そんな時でした。静岡県ボランティア協会の清水さんから連絡が入りました。「つながる支援パック」の話を聞いて、小山町議会議員の渡辺さんと言う方が「輸送ボランティア」を申し出てくださったと連絡が入ったのです。渡辺さんは熊本県出身で、震災後、すぐに熊本に行かれているということで土地勘にも詳しそうです。5年前の東日本大震災の際も物資を運ばれたと言う経験の持ち主です。私たちにとって、まさに救世主到来でした!