03.10
浜松市保育園申込状況のまとめ2017 (4)これから保活する人に向けて
2017 浜松市保育園申込状況のまとめ
- 平成28年度の待機児童と年度途中の入園状況
- 平成29年度4月入園はどうだったのか?
- 企業主導型保育事業の登場
- これから保活する人に向けて
浜松市は、全国的にも、静岡県内の他の市町と比べても待機児童が多い状態が続いています。そのため、年齢や地域により保育園の入園が思い通りにならない人も多いのですが、少し妥協することで入れたという人もいます。
保育園に入れた人、入れなかった人はどこが違うのか? 希望する人全てが保育園に入園することはできないのか、など皆さんも一緒に考えてみませんか?
平成30年4月入園に向けての保育施設整備
浜松市の現時点での計画では、平成30年4月入園に向けて、850名分+地域型保育事業(小規模保育・事業所内保育)で376人の受け入れ枠の拡大が予定されています。子育て世代の増加の多い浜北区には新設2園、定員増1園、北区に新設される2園は三方原地区の豊岡町、三幸町で、浜北区からもアクセスしやすく、テクノポリス方面への通勤に便利な場所です。
認定こども園、保育園の新設情報(平成30年4月開園予定)
P45~47 私立保育所等施設整備費助成事業
保活の前に知っておきたいこと
もし、職場復帰までに保育園が決まらなければ仕事をやめなければならない、せっかく決まった採用が取り消される……という状況でしたら、「どこにも預け先がない!」という事態はなんとか回避しなければいけません。
ではどうしたらいいのでしょう。いくつかのポイントをあげてみたいと思います。
「相談機関を活用する」「先輩たちの経験を聞く」
認可保育施設の申込窓口となる各区役所には、保育を希望する保護者のニーズを把握し、希望や勤務形態に合った保育サービスの情報提供をする「保育相談員」がいます。また、NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴでは、子育てと仕事の両立のための相談を受けたり、ハローワーク浜松と連携して、毎年各区で出張マザーズコーナーを開催したりしています。この講座では、子育てをしながら働くための心構え、保育施設の情報提供のほか、お迎えに間に合わない時、病気になってしまった時など職場復帰後にも必要になる保育サービスについての情報提供やファミリー・サポート・センターの登録受付を行っています。
これらの相談機関を活用したり、先輩たちの経験を聞いたりして情報収集をしておきましょう。
自分の点数を把握していますか?
保育園の選考で使われる、「利用調整基準点」は、就労条件、家族の状況など複数の項目があり、それぞれ細かく要件が決められています。子ども・子育て支援新制度により、保育園は月64時間以上の就労で申し込めるように緩和されましたが、選考で使われる基準点は月の就労時間が64時間の人は16点、150時間以上の人は20点 と段階的に点数に差がつけられています。父親と母親の点数の低い方が採用されますので、夫婦ともにフルタイムで共働きの人と、どちらか一方がパートやアルバイトで就労時間が短い人は最大4点の開きが出てきます。また、月の就労日数も加点に関わってきます。
入園選考の基準となる点数表は、区役所の窓口でもらえますし、ぴっぴのホームページでも公開されています。自分の就業状態だったら、どのくらいの点数になるのかは知っておきたいですね。
二次募集はあてにしないで、一次募集で入れそうな園を探す
今年のケースで言えば、全体で400人以上が溢れた1歳児でも、一次受付の締め切り時点では小規模、事業所内保育施設に75名の受け入れの余裕がありました。
一次がだめだったら、二次で小規模や事業所内も検討しようと思っている人もいますが、同じことを考えている人も多く、二次受付では小規模や事業所内保育所にも申し込みが増えてきます。
一次受付のうちから小規模保育や事業所内保育を希望することで点数の低い人でも、チャンスが広がることがあります。
希望園の変更期間を活用する
4月入園の一斉申込時は締切後に申込者数が発表され、そこから約1週間の希望園の変更期間が設けられています。昨年の記事「保育園落ちた」は、なぜ起きる?でもふれているように、第1希望の申込数が募集数を超えている場合は、第1希望としている人の中で選考が行われるため、第2希望に書いても選考対象となりません。
点数配分や選考方法については賛否がありますが、現在の選考の仕組みの中では、第1希望をどこにするかはとても重要なことです。
1週間という短い間に、見学に行くのも時間的に難しいでしょう。あらかじめ、小規模保育や事業所内保育も含めて第1希望の園以外についても調べておいて、場合によっては希望順位の変更をすることも検討しておくことが必要です。
3歳児以降は幼稚園に預けて就労するという選択も
認定こども園への移行が進む中で、「働く親は保育園、働いていなければ幼稚園」という垣根がなくなってきています。私立幼稚園は保護者のニーズに対応するため、ほとんどの園で夕方5時以降の預かり保育を行っています。満3歳、もしくはそれ以前から通園できるところもあり、幼稚園の「預かり保育」を利用して仕事をしている保護者もいます。また、浜松市立幼稚園も一部の園では預かり保育が実施されています。2歳までは地域型保育、認証保育所、企業主導型保育、認可外保育施設を利用しながら、3歳以降は幼稚園の預かり保育を利用して働くことはできないか検討してみてもいいでしょう。
「保育園落ちた」以降、急ピッチで進む待機児童対策
昨年の「保育園落ちた日本死ね!!!」の投稿をきっかけとして、待機児童解消に向けての施策がスピードをあげて進められています。今年度スタートした企業主導型保育事業もその一つです。
また、保育の面だけでなく、介護の負担、過重労働の削減など、社会全体で働き方の見直しをする動きも出てきています。育休期間を延ばしたり、在宅勤務を認めたりする企業も増えてきました。
働く親が増えた分、保育園に通う子どもの数は増えていますが、少子化で子どもの数全体が増えているわけではないので、幼稚園の受け入れは余裕ができています。必要に応じて保育施設を整備していくと同時に、待機児童の多い0~2歳児の保育と、間口が広がる3歳以降の預け先との連携の仕組みをしっかりと整えていくことも必要です。
ここ浜松市では、平成29年度も残念ながら1歳児を筆頭にまだ待機が続きそうですが、新設の保育施設が稼働する平成30年度には待機児童が解消に向かうことを願うばかりです。