2020
03.27

<新型コロナウィルス アンケート>(2)就労家庭の苦難  

ぴっぴのニュースクローズアップ

ニュースクローズアップ

この新型コロナウイルス対応は、就労家庭に様々な波紋を広げているようです。いくつかご紹介します。

軽い風邪症状でも登園拒否

「鼻水が喉に垂れる事による咳が出ているだけで、熱はなく元気なのに保育園で預かってもらえないことが困ります」
「最近、鼻水が出ていて目もかゆがっているので花粉症を疑っているが、風邪と思われそうで、園から呼び出しがあるのではないかとおびえている」
「ワーキングマザーにとっての光、保育園は休園しない、という今回の措置ですが、熱がなくても風邪症状(せき鼻水)のみで預かり拒否、となっている園が多数あります。今回の小中高全面休校 のお知らせの1日前に、小中学校に出た通達に合わせているのかもしれませんが、そもそもせき鼻水のみで、保育園が預かり拒否をしていたら、ほとんどの子どもは園にいけません。働く親にとっては死活問題になりかねない。どうしたらいいのでしょうか」

ふだんなら預かってもらえたような状況でも、「迎えに来て」と園から電話がかかってくるようです。保育施設もずいぶん敏感な対応をしていることがわかります。

そこで、市内の保育施設の園長にたずねたところ、
「もし、園児の中に感染した子がいて、他の園児に感染が拡がってしまったら、閉園になり他の子どもたちを預かることができなくなり多くの家庭に迷惑がかかる」
という回答でした。責任感、および危機管理からの措置なのでしょう。

それぞれの立場に立てば、どちらの考え方も間違いとはだれもいえないでしょう。では、どのように判断すればよいのでしょうか。

「発熱などのかぜ症状について、現時点では新型コロナウイルス感染症以外の病気による場合が圧倒的に多い状況です。風邪やインフルエンザ等の心配があるときには、これまでと同様に、かかりつけ医等にご相談ください」

厚生労働省Webサイト 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)にはこのように掲載されています。こちらを参考にして相互で考えてほしいですね。(詳しくはこちらをご覧ください。

また、
「アレルギー性鼻炎と医師から判断されていて入園からずっと言っていたのですが、鼻水が出たからと即お迎えの電話がありました。黄色い鼻水なら分かるが、透明なサラサラな鼻水は風邪に感染していないと医師からも説明されていたのですが」
こんな意見がありましたので、浜松市幼児教育保育課にたずねてみたところ、
「アレルギーと診断されているなら診断書を提出してもらえれば通園可能です」
とのこと。保育側に留意していただければ助かりますね。

新型コロナウイルス

小学生家庭も苦慮

「核家族です。学校が休みになり母は仕事を休みました」 「上が小学校5年生なので、学校であずかってもらえず、学童も入れていないので、仕事をキャンセルしています」
「仕事に普通に行けない。子どもが学校に行けないのに大人は外に出ていいのかと言われます」
「うちは在宅だからいいですが、近所は共働きなので大変。交代で子どもを預け合っていたり、複数人で留守番させたりしています」

放課後児童会に入れなかった家庭では、休校中(3月3日~13日)、一日中自宅で過ごすことになりました。本来、待機の対策として放課後は習い事に行かせていたのに、習い事もお休み。子どもだけで置いていくのは不安。小学生になっても休まざるをえない保護者もいます。

職場との関係

「勤務先の企業では、新型コロナウイルスの感染防止という理由であれば、子どもの少しの体調不良も有給の特別休暇として処理してくれるため、大変ありがたかったです」
「仕事は子ども優先で!と言ってくれるので大丈夫でした」
「保育園は休園ではないため、仕事へ行くことはできており、大変助かっております。勤務により自宅保育ができる際は、保育園を休ませたり、遅い登園や早めの迎えをしたりしています」

子育て家庭に対する職場の理解がずいぶん進んできていることがうかがえますね。

仕事の減少

「学校関係の仕事をしていたので、休校になり仕事がなくなってしまいました」
「休校中は仕事に来なくていいと言われ、時給制のため収入が大幅に減少してしまいます」
「いくつか仕事の依頼がキャンセルになりました」

家庭内の収入が減るのはつらく、今後の見通しも立っていない今は不安が募りますね。

以上のような問題が就労家庭に表出してきました。
ただ、浜松市では小学校の放課後児童会に入会している就労家庭の対応として、保護者が仕事を休めない場合に、自宅等において一人で過ごすことができない小学校1、2、3年生と発達支援学級に在籍する児童生徒(小学校1年生~中学校3年生)は学校において自習対応としました。放課後児童会については、通常どおりの時間帯で開設されたため、放課後児童会運営に大きな混乱はありませんでした。

今回のように急な措置が発令されたとき、一番に困るのは、子どもたちの預け場所です。それにより多くは働くママの仕事が左右されるのです。ひとつ歯車が狂うとあちらこちらに影響が及ぶ子育て家庭。一日も早く通常にもどることを祈ります。

関連記事

<新型コロナウィルス アンケート>(1)乳幼児家庭の孤独
<新型コロナウィルス アンケート>(3)居場所がない小中学生
<新型コロナウィルス アンケート>(4)デメリットをメリットに