2010
11.27

女性特有がんについて~「がんを地域で考える」シンポジウムを行いました

事業:女性のがん検診

11月21日(日)浜松学院大学の共創祭の最中に、女性特有がんについて~「がんを地域で考える」のシンポジウムを開催しました。

女性特有がんについて~「がんを地域で考える」シンポジウムを行いました

当日、お天気も心配でしたが、参加者がどれくらい来てくださるか不安でした。というのも自分の身にふりかかって来なければ、「ノー、プロブレム」であると思われがちなのでなかなか健康な人にとっては関心が薄いものだからです。
日本では乳がんは年間約4万人ががんと診断され、1万人もの方が亡くなっており、子宮頚がんは年間15千人が診断されて、3500人が亡くなっているということです。そして検診を受けている人は全体の20%足らず。高齢出産で30代後半や40代でお子さんを生むことも珍しくなくなった現在、30代から徐々にあがっていく乳がん罹患率ゆえに、リスクは高くなっています。また、子宮頚がんは20代からリスクは上がっているのですから、「私はだいじょうぶ!」というのはないのです。
女性特有がんについて~「がんを地域で考える」シンポジウムを行いました
ぴっぴでは、子育て中の母親たちの検診率をあげるために、今年1月から活動を始めました。子育て中の母親は、どうしても子ども中心の生活ですから、少々自分が体調を崩していても我慢してしまいがちです。まして、体調も悪くないのに、子どもを預けてまで検診に行くという行動まではなかなか結びつきません。子どもの手が離れてから検診に行けばよいと考える方は多いと思いますが、実際、早期発見早期治療が遅れたために、結局、母親が病に臥せったり、最悪の場合、亡くなってしまうということもあるので、残された子どもや家族に悲しい思いをさせてしまうことになってしまうのです。そうしたケースをなくしたいというのがきっかけで、子どもを預けやすい環境にして検診を促したいと動き出したのです。

女性特有がんについて~「がんを地域で考える」シンポジウムを行いました

さて、当日、80人ほどの参加者が来てくださいました。女性特有がんについて~というテーマで、男性が来られにくいのではないかという心配もあったのですが、意外と会場は男性が多かったという印象です。(19人ほどは男性でした)
ディスカッションはパネリストのみなさんに産婦人科医、腫瘍内科医、患者経験者、サポーターの立場から現在感じていらっしゃる課題や問題などを中心にお話していただきました。さすがに話慣れていらっしゃる人々で、時には現代の医療環境について風刺的な話題もありましたが、検診がなぜ重要なのかや行ける環境を個人も相互に助け合って整えていくこと、万が一、罹った時のサポート体制が浜松にはたくさんあることなどをうまくまとめてくださっていました。
最後に、ひとつの課題を解決していくには、同じ専門領域で固まって解決の糸口をさぐっていくのも必要ですが、時には違った分野や立場で異なった視点から考えると思いもよらなかった発想が生まれ、解決のためのコラボレーションができることもあらためて感じました。地域での人と人とがつながる連携。ひとつ立ちあがったと実感したシンポジウムでした。

<hiro>

子育て世代の女性特有がん検診受診率向上プロジェクト