2007
11.11

地域情報化フォーラムinにいがた

取材

遥々来たぜ新潟~♪
思い起こせば1年前、日経地域情報化大賞2006の日本経済新聞賞を受賞し、佐賀での授賞式に出席しました。あれからもう1年も経っていたとは、月日の経つのはなんとも早いものですね。
今年はその授賞式が新潟で行われ、併せてフォーラムが開催されたので、フォーラムと討論会に参加してきました。
 ☆日経地域情報化大賞
   http://www.nikkei.co.jp/riaward/index.html
 ☆地域情報化フォーラムinにいがた
   http://www.nikkei.co.jp/riaward/sympo/
新潟県知事
この日経地域情報化大賞はどのような視点で選ばれているのかというと、「産業振興」「地域活性化」という今までの視点に、今年は「地域住民の安全・安心にITを活用し役立てる」という視点が加わったそうです。このような視点で、
「Ruby City MATSUEプロジェクト(島根県松江市)」が大賞に選ばれました。
フォーラムの基調講演は、地元新潟県の泉田裕彦知事が「災害にIT(情報技術)の果たすべき役割」をテーマにお話しされ、ぴっぴとしても防災ワークショップなどを行っている立場からとても興味深く聞きました。
 新潟県は3年前に「中越地震」、今年7月に「中越沖地震」がありました。その経験を通して、
・災害に同じ顔はない。毎回違った被害をもたらす。
・時間経過により、情報伝達のメディアが変わることが大切
・ITを過剰に頼るのではなく、その使い方や組み合わせが重要
ということを話されました。
 被災による情報の途絶という問題でも、3年前の時は、山古志村の完全孤立など、電話も携帯電話も繋がらず、消防の無線と警察の無線が繋がっても行政の壁に阻まれるという状況だったそうです。山が動くという状況の中では、道路の寸断、水道管も切れ、電線も切れて垂れ下がり、携帯基地局と本社の線が切れている状態だったそうです。孤立した集落と連絡をとるには、二重、三重の備えが必要だということです。それに比べ、今年7月の時には、通信が確保されているのに、両方から発信していて繋がらないという情報伝達の問題があったそうです。
<災害地図
このような時に、情報伝達のひとつとして活躍したのが、コミュニティFMの「柏崎コミュニティ放送FMピッカラ」でした。今回の特別賞にも選ばれています。コミュニティFMというのは、出力が小さいのですが、それだけに、大きなFM局にはない地域限定の情報を細やかに流せるという利点があり、それが活かされた事例です。
他に、産官学による新潟県中越沖地震GISチームというチームにより、ITを使った地図で、災害の状況、支援の状況がタイムリーにわかる地図が作られ活用されたそうです。これは、県外から支援に来ている人たちにも共通理解しやすいもので(県外から来ている人に、所在地を地名で言われてもどこかわからない)、状況共有を円滑に行えて効果があったそうです。
新潟県知事の基調講演だけでもかなりの聞きごたえがあるこのフォーラムでしたが、この調子で夜10時までフォーラムと討論会が行われました。私にとっては、夜中に知恵熱が出そうなくらい刺激的でした。   (わかば)