2005
08.26

椎名誠さんの講演会「本の力・本の夢」(読書推進フォーラム)

取材

先日の8月23日(火)フォルテにて静岡県読書推進フォーラムに行ってきました。そこで、椎名誠(作家)さんの講演がありましたので、感想を記述しておきます。
10日前まで北極にいたという椎名さん。辺境の地を旅した数多くの体験談は実に迫力満点。いつもの椎名調エッセイを本人語りで聞いているという感じでした。
 少年の頃読んだ「さまよえる湖」(スウェン・ヘディン著)と「十五少年漂流記」(ジュール・ヴェルヌ著)が椎名さんの原点となっており、今でも愛読書はSF・私小説・自然科学系の本。特に自然科学系の本はどんどんイメージが広がり、行動の基本になるそうです。
椎名さんにとって本はいつも自分の側に置き、自分のペースで向き合える、物事を知る一番の手段だそうです。読書は考え方の基本である咀嚼する力を養い、子ども達の読書会は最初の知的なコミュニケーションであるともおっしゃっていました。
 
 アマゾンの奥地に住む将来先生になりたい24人家族の少年や、食糧となるカリブーを狩猟する12歳のイヌイットの少年など、辺境の地に力強く生きる多くの子ども達との出会いを重ね、ストレス大国といわれている日本の生まれながらにして学ぶ権利を持っている子ども達の不登校・ひきこもりなどの現状を危惧されていました。
子どもの頃に読んだ本の感動はいつまでも心に住み続け、気がつくと生涯自分のキーワードになり続けることもあるのですね。
子ども達はもう出会ったのでしょうか・・・
*「さまよえる湖」(上・下巻)・「十五少年漂流記」は文庫本でも手に入ります。 <やまねくん>