2016
09.16

女性特有がん検診Q&A<4>

事業:女性のがん検診

私たちは女性特有がん検診受診の必要性を子育て中の女性に訴え、ハードルとして考えられる要因を取り除くために、託児つきの乳がん・子宮がん検診の試みや、正しい検査の情報提供(例えば、マンモグラフィーへの恐怖心を減らす情報)をしています。

10月のピンクリボン月間に向けて、乳がん・子宮頸がん検診についてのよくある質問(Q&A)をピックアップし、シリーズで紹介していきます。

乳がんについて

乳がんになる女性が増えていると聞きましたが、どうしてですか?
乳がんは、比較的若い30~40代の女性でも発症することの多いがんです。今、日本人の女性の16人に1人が乳がんにかかると言われています。また、日本女性がかかるがんの中で最も多いものが乳がんであり、若い女性のがんの死亡原因のトップが乳がんです。「まだ若いから」と油断してはいけません。
昔に比べると、初潮年齢が早く、子どもを産む回数が減っていることから、生涯の月経回数が多くなっていること、不規則な生活、睡眠不足、ストレスなどによるホルモンバランスの変化、食生活の変化などが、原因として考えられています。
胸が大きいとなりやすいというのは、本当ですか?
乳房の大きさと乳がんのかかりやすさは関係ありません。
乳がんの自己検診(セルフチェック)は、何歳頃から始めたらよいのですか?
20歳代から、毎月1回の自己検診を始めましょう。普段の自分の体を知ることで、異常が起こったときに気づきやすくなることもあります。
わきの下にしこりがあるような気がします。
乳がんのしこりは胸にできるものだけではありません。わきの下にも乳がんはできます。「乳がんのしこり=胸」と思わずに、幅広い範囲でチェックしましょう。また、現在感じている脇の下のしこりについては、すぐに病院で受診しましょう。
乳腺症との違い、見分け方などあれば教えてください。
乳腺症は、乳房に痛みを伴うしこりができたり、乳頭から分泌物が見られたりする症状があり、月経がある人はかかる可能性が誰でもあります。乳がんの場合は、しこりが痛まないことが多いのですが、乳がんのしこりと紛らわしい乳腺症のしこりがあるので、乳がんの場合と同じように検査します。時には、マンモグラフィ検査だけではなく、細胞の一部を採取して行う生体検査も行うことがあります。簡単に見分けることは難しいので、しこりや痛みがあるなど症状があればすぐに受診しましょう。
家族に乳がん患者がいます。発症リスクは高くなるのですか?
確かに、母親や姉妹が乳がんに罹患しているという家族歴がある場合や、血縁者に乳がんの患者さんが多数いる場合、遺伝的な要因を受け継いでいることがあり、乳がんになるリスクは高くなります。ただし、身内に乳がんになった人がいないからといって、こうした遺伝的な要因がないとは言えません。また、ひとりっ子の場合は、気づかないこともあります。さらに、初経年齢が早い、出産経験がない、というように女性ホルモン(エストロゲン)にさらされる期間が長いことが乳がんの発症リスクを高める要因になることが知られています。

その他のQ&Aも、ぜひあわせてお読みください。

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