2011
05.09

助産師からみた女性特有がん啓発講座「家庭の医学 出前講座」第2弾

事業:女性のがん検診

昨年度(2010年)、ぴっぴでは、女性特有がん(乳がんや子宮頚がん)の検診受診をママたちに啓発しようと、育児サークル(5団体対象)を対象に、「家庭の医学 出前講座」を開きました。講師は助産師さんたちと保険の代理店さん。ママたちに近いところにつねに寄り添っている助産師さんから、ご自分の立場で昨年の講座を振り返って感想を書いてもらいました。今回は山田美由貴さんです。
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「子育て世代のお母さんたちに、女性特有の癌検診の大切さについて」話す機会を頂きました。日本の国全体に言えることですが、病気を予防する、早期発見に努めるという意識が低いように思います。産婦人科外来で仕事をしていた時、「病気が見つかると怖いから健診は受けない。」「婦人科は行きにくい。」という声をよく聞きました。しかし早目に発見されれば、早期治療も可能であり、命にかかわるほどの進行を防げることも多いのです。特に子宮頸がんは、予防接種の開発も進み、定期検診との併用によって予防可能な癌と言われています。かなりな症状が出てから、受診される方もいるのはとても残念なことと思います。
守るべき家族が授かり、家庭の支柱であるお母さんが、自分の身体のことに関心を持ち、健康を維持することは、とても大切なことだと思います。今回育児サークルという気軽な場で「癌検診の大切さについて」学んでいこうというお母さんたちの要望があり、お話できたことはとても意味のあるものであったと思います。子どもがいるからこそ、様々な知識に対して貪欲であってほしいと思います。『知っている』ということは自分自身だけでなく、子育ての幅を広げます。子育ては大変。毎日疲れてしまって、本を読む時間なんてとれない、時間や場所を自分で作り出すことをしない限りコンサートや講演会なんて夢のまた夢。だからこそ形式にこだわらず今回のような形で癌検診の大切さが広がっていったら、素敵だなと思います。
もう一方で「子どもと一緒の講座は無理」「子どもが飽きてしまう」という感想もありました。本当にそうでしょうか。どんなに小さな子どもで場の雰囲気は感じるものです。そして親の話を聞く態度や、学ぶ姿を子どもは見ています。「きちんと人の話を聞くことの大切さ」は伝えなければいけないことだと思うのです。話を聞く態度は親から学ぶのです。厳しい言い方をすれば「無理と思っているのも、飽きてしまうのも」お母さんなのだと思います。子どもがいてもきちんと話の聞けるお母さん。聞ける雰囲気作りを作り出せるお母さんになってほしいと願っています。それは我が子と正面から向き合い子どもの話に耳を傾けるお母さんになることに繋がります。
子育ては大変だけど幸せな仕事です。自分と家族の身体も守っていけるお母さんたちの為に、私たち助産師も伝え続けたいと思います。

助産師 山田美由貴

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