04.22
助産師からみた女性特有がん啓発講座「家庭の医学 出前講座」
昨年度(2010年)、ぴっぴでは、女性特有がん(乳がんや子宮頚がん)の検診受診をママたちに啓発しようと、育児サークル(5団体対象)を対象に、「家庭の医学 出前講座」を開きました。講師は助産師さんたちと保険の代理店さん。ママたちに近いところにつねに寄り添っている助産師さんから、ご自分の立場で昨年の講座を振り返って感想を書いてもらいました。今回は宇田公美子さんです。
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昨年、子育て中のママたちのサークルなどでお話させてもらいました。
メンバー(3人の助産師が講師を引き受けました。)は普段は新生児訪問や赤ちゃん連れの集まりでお話したり、相談に応じたりしています。赤ちゃんとママの集まりは元気をもらえて楽しみです。しかし、今回は話をする内容がママの身体、それも「がん」の話という私たちにとっても初めてのような取り組みでしたので、子どもたちが一緒でもちゃんと聞いてもらえる状況作りと、実技も入れて今日からでも役立つ内容を考えました。
今回のテーマであった乳癌、子宮頸癌は女性の癌の死亡では1位、2位ということで、特に子育て世代でこの病気が見つかる率が高くなっています。そのために、検診の補助の対象にもなっていますし、早期発見できることが大事なのです。
「あなたは、子宮頸癌の検診を毎年受けていますか?」と聞くと、10人いて2人くらいの手が挙がるでしょうか。「行きたいけど子どもがいるし、気になっても忙しくて自分のことは後回しになっちゃう。」または、「自分は大丈夫」と思っている人もいるでしょう。でも、家族や友人などの身近な方に患者さんがいると心配になって、毎年受けているという人は多いです。実際、病院で見ていると、若くて子どもさんも幼くて大変お気の毒に思う事が多々あるのです。ママの健康が子どもたちの幸せにつながり、家族にとってかけがえの無いものだということが、その状況にならないと実感できないかもしれませんね。できれば、そんな切ない思いを味わうことにならないためにも、定期的検診を受けたり、乳房の自己検診や受診する意識をもってほしいです。
講座の後半は実技とし、自己検診のやり方を実際にやってみました。服を着たままですが、お風呂の時に鏡で乳房の形を見るポイントやしこりの探し方、立ってする場合と仰向けに寝て行う場合。その後、模型を触ってしこりを見つけてもらいました。これは、中々見つけられない方が多かったですね。説明だけでは触り方がわかりにくいのが、体験することでわかったようです。そして、個々に話ができた方たちからは色々細かなことについても質問がありました。それだけご自分でもやろうという気持ちになったのではないかと思いました。
女性の身体については、他にもトラブルはありますから、こういう事を通して自分自身の身体に気遣って、これからの人生を充実して過ごしてもらえたらと思います。参加されたママたち、話をしてる間、待っていてくれた赤ちゃんたちもありがとうございました!!
助産師は赤ちゃんの声を代弁し、ママたちの気持ちに寄り添っていくことが仕事ともいえます。子育ての事も、女性としての生き方についても一緒に考えていけたらいいなと思います。
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助産師 山田美由貴さんの感想はこちら
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