2006
11.10

11月1日『川崎市子ども夢パーク』取材しました

取材

川崎には、2000年に『川崎市子ども権利条例』ができ、それを具現化するためにできたのがこの『川崎市子ども夢パーク』です。
 こちらの管理・運営は、NPO法人フリースペースたまりばと生涯学習財団とのジョイントで行われているそうです。
 この夢パークは、(1)川崎市子ども会議の会議室・事務室 (2)自分の責任で遊ぶプレーパーク (3)フリースペース の3つの柱で運営されています。ここで注目は、(2)と(3)です。
 ここに存在するのは、ただのプレーパークではないんです。“子ども自身が自分の責任で遊ぶ”場となっています。これは、大人たちが、
「あー、それやったら危ない」
「そんなことすると、こんな失敗するからやめておきなさい」
「汚れるから、だめ!」
なんて言わないという事。でも、そうすると子どもだから、失敗したりけがをすることもありますね。でも、それがあるから次に失敗したりけがをしないように、子ども自身が考え成長するからそれでいいという考えなんです。
 実際に、そこには“トム・ソーヤの冒険”に出てきそうな木やウッドハウスなど、子ども心をくすぐられるものばかり。
また、パークにおいてある木材で、家を作ってもいいそうです。遊具は全て手づくりで、基本的には“作って、遊んで、壊す”の繰り返しだそうです。手づくりのピザ窯もあり、昼食を作るところもあって、本当にワクワクします。とんかち、のこぎり、ナイフなんていう道具も何気なく存在していて、ちょうどそこに来ていた子どもたちは、泥んこになりながらも、片方の足(もちろん、裸足)で木材を押さえながら、のこぎりで何かを作り始めました。とにかく、“けがは自分でひきうける”というルールでのびのびと遊んでいる子どもたちがいました。
 川崎市にある放課後児童会やわくわく広場などは、たくさんできたけど、どれも監視型。もちろん、川崎市に限ったことではなく、事故やけがの原因になりそうなことは“ルール”として禁止事項となっているところが多いでしょう。
夢パークではもちろん、野放し状態ではありません。プレーリーダーが寄り添うように存在します。ただ、指示などはしないそうです。ですから、家の屋根に上ったり、木登りしたり、穴を掘ったり・・・、と子どもの好奇心をそのまま受け止めてくれるパークが、この夢パークなんです。
 また、フリースペースには、いろいろな事情で学校に行っていない子どもたちが、集まっていました。それが『フリースペースえん』です。“ほっと肩の力を抜いてひとりひとりの居場所”となっています。この居場所については、運営しているNPO法人フリースペースたまりばの西野博之さんは、
「誰もが生きている、ただそれだけで祝福される場をつくる」
と言っていました。最近特に問題となっている“いじめ”については、
「学校を休みたくても休めない(休むことを認めない)社会、他に行き場のない社会が自殺に追い込んでいる一要因となっている。学校に行きたくなければ、他にも選択肢があるということを、もっと子どもも大人も知ってほしい」
と西野氏は言っていました。
 この『フリースクールえん』では、
「こんなに自由で過ごしやすい居場所を作ってしまったら、子どもたちが学校や社会に戻ろうとするはずがない」
という批判を受けながらも、実際には、
「子どもは自分で自分を肯定できるという自己肯定感を持てるようになると、どんなに居心地のいい場所でも、自分で自分の卒業を決めて出て行く」
そうです。
 夢パークでは、プレーパークもフリースペースも、いずれも無料で利用できます。ただし、フリースペースでは、毎日昼食代としてひとり¥250だけは有料。
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 詳細は、ホームページをご覧ください。
☆川崎市子ども夢パーク
  http://home.h00.itscom.net/yumepark/
☆NPO法人フリースペースたまりば
  http://www.tamariba.org/ (わかば)