2018
02.12

救援活動のための図上訓練

事業:その他

今年で13回目を迎える静岡県内外の災害ボランティアによる救援活動のための図上訓練が1月20日(土)21日(日)に静岡市のツインメッセ静岡でありました。

今年は6か月前から、出資元の日本財団、事務局の静岡県ボランティア協会と共にワーキングメンバーと呼ばれる25名ほどの人々が関わってプログラムから当日の準備までを行ってきました。ワーキングメンバーは、静岡県、および県内市町の社会福祉協議会、NGO、NPO、企業の社員や民生児童委員と幅広い人々で構成されています。

図上訓練2

常時、災害に関わっている人だけでなく、要配慮者となる人とふだんから関わっている人などが入ることにより、被災地に行って支援したことはないけれど、実際に「災害が起きてしまった時にこんなことが起きるのではないか」と予想できる人も必要です。
災害は多種多様な人が巻き込まれ、多くの困りごとが発生します。メンバー達はこれまでを振り返って、たいへんなときだからこそ見落とされないようにニーズを拾うことがだいじだと痛感していました。

今年のプログラムの内容は、“被災者・被災地の多様な困りごとと支援者がつながる~事例から気づく今からできること~”というものでした。1日目は避難所で起こりうる困りごと、2日目は在宅避難での困りごとについて事例(実際にあった東日本大震災、熊本地震や鬼怒川水害で起こったことを現地の支援者を迎えて)を基にワークショップを行いました。

図上訓練1

2日間とは言え、かなり過密なスケジュールで時間配分されており、参加者の中には「ついていけてない」という声も出たそうで、そこはワーキングのメンバーがフォローしていきました。参加者にとっては当日編成されたグループで話し合いを行なっていくのですがこれも訓練のひとつ。災害ボランティアは被災地支援で各地から集まってきた同じ災害ボランティアと共に、気持ちを同じにして支援を行わなければなりません。そうした訓練も含まれているのです。

図上訓練3

また、昨年から始められたプレセミナーというプログラムがあります。図上訓練の前に、どうしてこの訓練が始まったのか、どんな効果を期待しているのか、そもそもの話を静岡大学防災総合センター長の岩田さん、常葉大学の准教授の小村さんから話を聞く機会で自由参加でした。これは大変人気があり、会場は立ち見席がでるほど満員で企画一同、大変うれしくもあり、驚きでした。

この他、行政職員や図上訓練に興味を持っている団体などが導入で参加してみるビジター枠があります。こちらは昨年より加わった弁護士の永野さんが士業の被災者支援の関わりについてわかりやすく説明をされました。また、富士市の危機管理課の太田さんが富士市のクラウドファンディングを利用して資金を集め、トイレトレーラーをアメリカから購入し災害時に使用しようという試みを、そしてぴっぴは熊本地震の支援での事例と母子計画についてお話しました。

1日目を終わった後の交流会を含め、2日間の図上訓練を通して、各参加者は様々な支援者がいて全国各地から来られていることを知ったにちがいありません。突然、降ってわいたかのように起きる自然災害。未然に防ぐことはなかなかできないため、起きた時にこうしたつながりから、「助けに来てね」「助けに行くよ」とお互い言える関係になるのもひとつのこの訓練の成果でしょう。
 来年もまたきっと行われる図上訓練。どんどん進化していくことでしょう。

<hiro>