08.02
田村太郎さんから話を聞く
内閣府官房震災ボランティア連携室企画官の田村太郎さんに浜松市子育て情報センターで「震災と要援護者の現状について」語っていただきました。
田村さんとは、ぴっぴの賛助会員さんからのご縁でこのような機会を得ることができ、ほんとうに人とのネットワークに感謝しています。
さて、田村さん、阪神大震災から災害ボランティア活動に関わって来られたので、これまでの災害を通して、要援護者の対応に関して変化があったのかを投げかけてみました。
それが今回のテーマです。
未曾有といわれた今回の東日本大震災。何よりも津波が襲ってきて、多くの犠牲者が出たこと、家屋、工場、田畑も破壊されてしまったことは、これまでとは比較にはならないことかもしれません。田村さんたちが今回、関わっておられる
「つなプロ 」の活動を通して見えた現状は、かなり深刻でした。「つなプロ」サイトにも掲載されていましたが、現在の課題やニーズは、被災直後のものと比べて、時間経過からもかなり変化をしてきています。例えば、支援物資のニーズについて、3月の災害であったため、多くの子どもたちのランドセルが津波によって、流されてしまったという報道を受けて、多くの人々が支援を行いました。現在、一部の地域ではランドセルがたくさん送られて来すぎて、一室がランドセル部屋になっているそうです。こうしたことからも人々の善意も無駄になってしまわないように、変化に応じて必要な分だけ支援物資を送ることに配慮することも必要ですね。
被災から数か月を経た現在、仮設住宅に移る人や親戚縁者を頼って避難所を出ていく人も多くなってきているとのことでした。中でも、動ける人たち(子どものいる家庭など)は移動してしまうけれど、動けない高齢者は避難所から出ていくことができず、益々、要援護も進んでいってしまうという状況を聞き、これまでになく衝撃を受けました。
行政やメディアでは聞けない民間としての立場での実話に、参加者のなかには、現状を踏まえて今後の支援や、これから来るかもしれぬ災害への備えについて考え方が変わった方もたくさんおられたようです。
最後に、昼間、被災すれば指定避難所ばかりではなく、多くの人たちが開いている公共施設にも来るだろう。それに備えておかなければならないという田村さんの話から「避難所運営」をすることについて、今後、他人ごとと考えず災害に備えて検討しなければならないことでしょう。
(hiro)
田村さんのプロフィール(ダイバーシティ研究所 サイトより)