02.24
乳がんと診断されたらすぐに読みたい本
健康ジャーナル社
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著者は、いわゆる「ワーママ(ワーキングマザー:子育てしながら働く女性)」です。子育てしながら仕事するのも大変な上に、胸のしこりを自分で発見して、病院で検査し、乳がんを告知されます。
健康に生活している(と本人は思っている。)時に、突然がんを告知されれば、頭の中が真っ白くなって、どれだけ動揺することでしょう。でもこの本によれば、「自分でも驚くほどショックも受けないし涙も出ない。」そうで、それはどうしてかといえば、「実はなんとなく……薄々わかっていた。お医者さんたちの口調、緊張感。気づかないふりはしてたけど。」ということだからだそうです。
著者自身は、「死ぬなら戦ってから死にたい。」と書いているように、ポジティブで、目の前の問題に戦闘態勢で挑んでいくようなタイプのようで、告知されてから治療を受けている様子などが、淡々と整理されて、さらに、その時に感じた本心がそのまま書かれているので、乳がんについてほとんど知らない人でもわかりやすく、読んでいて暗い気持ちになりません。
さらに、「100人の体験記」が後半にあるのですが、同じ病気になっても、病気に気づくきっかけも、治療後の体の状態も、100人いれば100様のものがありますから、「みんなはどうだったのだろう」と一気に読んでしまいます。
病気に立ち向かう時、仕事もあって、子育てもあってと、普段からのいろいろな顔を持っているところに、患者という顔が増えます。様々な顔を持っていてよいことは、いざという時に「自分一人ではない」と思えるつながりがあることです。「患者」になれば、患者のつながりができます。「乳がん患者会bambi*組」もそのひとつでしょう。病気に立ち向かう勇気や知恵を、「つながり」で得ることができ、病気とも、自分一人で立ち向かうのではなく、支えてくれる仲間の存在を背後に感じながら立ち向かうことができるとよいですね。万が一、あなたやその周りにいる人が、乳がんになったなら、ひとりで立ち向かうのではなく、周りの人と一緒に向き合ってほしいです。この本もきっと、力を貸してくれるのではないでしょうか。