2015
10.19

子宮頸がん検診の勧め

事業:女性のがん検診

40歳以下の女性のもっとも罹りやすいがんは子宮頸がんです。子宮頸がんで毎年2,800人近くの日本人が命を落としています。亡くならなくても、結婚前、妊娠前に子宮頸がんになり子宮を摘出され子供が産めなくなる方もみえます。治療で命は助かっても抗がん剤、放射線の副作用で苦しんでいる方もたくさんみえます。子宮頸がんは若い方のがんであることを知らない方がまだまだたくさんみえます。子宮頸がんはヒトパピローマウイルスが原因で発症します。性交渉により70~80%近くの女性が罹患しますが、罹患してもほとんどは免疫力などで排除されます。ですから性病ではありません。
予防はワクチンと検診です。スコットランドではほとんどの女性がワクチンと検診を受けたことにより子宮頸がんの発生がほとんど無くなったそうです。すべての先進国では子宮頸がんの受診率は50%を超えていますが、日本は子宮頸がんの受診率は30%前後で低迷しています。子宮頸がんの検診は他のがんの検診より非常に精度が高く信頼性があります。しかも数分で終わり、痛みもありません。初めて受けた方は「こんなに簡単ならもっと早く受診しておけばよかった」との声をよく聞きます。子宮頸がんは早期発見すれば治るがんです。厚生労働省では20歳になったら子宮頸がんの検診を受けることを勧めています。産婦人科医の立場からは1回でも性交渉がある方は子宮頸がんの検診を受けて下さい。
パピローマウイルスを排除するためには免疫力を普段からつけておくことが大切です。タバコを吸わない、定期的に運動をする、朝食は必ず食べる、野菜をしっかり取る、ストレスをためないなど生活習慣をよくすることが子宮頸がんの予防にも繋がります。またウイルスは主に男性の亀頭に存在することが明らかになっています。男性側の予防対策として局所をいつも清潔に保つことも大切です。
ワクチンと検診で激減させることが可能です。

(浜松医科大学産婦人科学教室 金山尚裕 教授)

参考:
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