10.25
高齢者の避難所宿泊体験
地域防災を考える会の主催で、10月13日(木)午後から14日(金)の午前まで防災学習センターを会場に「高齢者の避難所宿泊体験」が実施されました。
65歳以上の方を対象としたこの体験は、高齢者にとって避難所生活は困難であると認識し、避難所へ行かなくて済むような在宅避難の準備、備えや耐震といった常日頃の準備が必要と実感してほしいという目的で企画されました。ぴっぴは全体運営のお手伝いと、夜に実施したシミュレーションゲーム、避難所の区画づくりのワークショップの講師を担当しました。
シュミレーションゲームでは「家族同然の飼い犬を避難所へ連れていく?」「避難所に何も持たずに避難してきた人が多数いるが、自分の非常持ち出し袋を開ける?」といった問いに、Yes(はい)かNo(いいえ)で答え、その後グループで議論をしました。どちらが正しいというわけではなく「各状況であなたはどちらを選びますか?」の視点で選択を考えるのがポイントです。特にペットを避難所につれていくかどうかは「ペットは家族以上だから避難所に連れて行かないのはあり得ない」や「避難所には連れていかずに車中泊でペットと暮らす」など議論が白熱し、Yes派、No派それぞれ意見が挙がりました。
災害時、選択を迫られる場面が多々あります。自治会や近所で、災害時の状況を想像して考えるきっかけにしていただければと思います。
シミュレーションゲーム後、男女で部屋を分かれ、避難所での区画づくりのワークショップを行いました。通路の確保や、人の動きが多い入り口や水場付近の配置はどうするか、寝るときの頭や足の向きはどこに向けるのかなど、議論しながら区画していきました。本当の避難所では一人当たりのスペースがもっと狭くなる可能性があると講師から伝えられた参加者は、避難所生活の困難さを改めて実感したようでした。確保したスペースで一夜を過ごしましたが、皆さん、よく眠れなかったとのことでした。
2日目朝には、反省会を開きグループごとに今回の宿泊体験の感想や意見、避難所生活の困難さについて意見が出ていました。「避難訓練などは行政などがやってくれるものと理解されがちだが、それぞれ役目がある。民間の立場で訓練するからこそ、わかることも多く訓練は活きる」と主催者が述べ、宿泊訓練は終了しました。
避難所は行政が管理してくれるわけではなく、避難所にいる人々が先陣を切り、何もない状況から動かなければいけないことが前提だと考えておくことが重要です。今回の訓練に参加された方はこのことを認識し各地域の防災に活かしてもらいたいですね。
(しゅーまっは)