07.08
三遠南信災害ボランティア交流学習会
地域に広げる災害ボランティア~日頃のネタ交換しませんか~
7月5日「東海・東海海地震」の発生に備え、三遠南信(豊橋・飯田・浜松)地域のボランティアによる相互の交流学習を目的とした、三遠南信災害ボランティア交流学習会が浜松まちづくりセンター開でかれ、各地域災害ボランティア・グループが日ごろの活動を発表しました。
「災害ボコ浜松」では災害ボランティアコーディネーターとして各地で講演をされたり、講座講師として大変活躍されている鵜飼さんが、ぴっぴの「子どもを守る防災ワークブック」を使った出前講座を紹介しました。
ぴっぴでは、3年前、鵜飼さんに講師をお願いし、「女性の立場に立った防災ワークショップ」を開催。子育て中の親として子どもの命を守るという視点と、身の回りにあるもので防災グッズをつくるワークなどが好評を得ました。中越地震の際、現地に入り災害ボランティアとして活動された時の貴重な体験談も聞くことができました。
翌年ぴっぴは独立行政法人福祉医療機構 (子育て支援基金)の助成金を得て、災害ボランティアコーディネーター鵜飼さん、浜松市社会福祉協議会、浜松市、NPO法人ころころねっと浜松、アクティ ブ、浜松アトピーの会とともに「子どもを守る防災ワークプロジェクト」を立ち上げ、「子どもを守る防災ワークブック」を編集・発行。子どもだけでなく、妊娠さんから子育て中の親も要援護者という観点にたった編集に加え、アトピーなどアレルギーを持つ子どもたちには、どんな準備が必要なのかも盛り込みました。また、発達障がいのある子どもたちにはどのような理解が必要なのか、実際に講座でお話を伺う機会もつくりました。
その後も自主事業としてワークブックを教材とした出前講座を開き、地域とのつながりやお互いに助け合うことの重要性を伝え、ネットワークを作っていくことを目指しています。
スタッフ手作りの子供用防災ベスト、新聞紙で作るスリッパ、ゴミ袋で作るカッパなど実物も見ていただきました。
(詳しい講座の様子はぴっぴの運営ブログで紹介していますので、そちらをご覧ください。)
この他3団体の発表がありました。「豊橋防災ボランティアコーディネーターの会」 防災啓発紙芝居事業部では、メンバーによる「稲村の火」「岩屋 観音のお告げ」の2作を上演。手作りの大型紙芝居は音響付きで語りもすばらしく、津波災害に対する心構えなどがとても分かりやすく伝えられていました。
また、「豊川防災のボランティアコーディネーターの会」は「同時多発傷病者発生時救出救護訓練」といって、災害時の現場とトラウマメークによるリアルな傷を 再現し、トリアージ・止血法等の訓練するそうです。このトラウマメークはかなりリアルでショッキングなものでした。「NPO法人 飯田ボランティア協会」 では出前講座の実施・高齢者福祉施設に対する家具転倒防止用具取り付けボランティアや指導・要援護者の自主登録・ランプ、コンロづくり・子ども防災体験な ど数々の活動をしているそうです。
日頃の活動が浸透し、最近では「自分たちでやらねば」と住民が動き出したという報告がありました。
「防災」を実践していくにはいろいろなアイデアも必要だし、じっくりと継続していくことがとても重要であると実感しました。
休憩を挟み、数人のグループに別れて、以前運営ブログでも紹介したことがある「クロスロードゲーム」をしました。いろいろな意見がでるような設問になっているのですが、それぞれの立場で意見を交わし楽しいひとときでした。
最後に静岡県防災局が開発した「避難所運営ゲーム『HUG』」の紹介がありました。災害時避難所に起こるだろうと思われる様々な状況をカードにし、数人のグ ループで役割を決め、避難所を運営していくゲームです。今回は紹介のみでしたが、災害時に避難所運営に携わることになる方々には、予めゲームで体験してお くことが、実際の現場でスムーズに活動するために役立つことになるのだろうと思いました。
三遠南信(豊橋・飯田・浜松)は愛知・長野・静岡の3県が県境を共有しています。行政的にみると地域には「県境」がありますが、自然の構造、そしてそこに起こりうる災害に「県境」はありません。
災害時にはお互いの地域が連携をとり、迅速・有効な措置やボランティア活動が展開できるように、日ごろのコミュニケーションや情報交換などが必要ですが、こ のことは、ぴっぴの防災ワークショップのなかでいつも伝えている「ご近所の皆さんに『わが家には赤ちゃんがいます』『一人では避難できない高齢者がいます』など、状況をよく知っておいてもらうこと、日頃からのコミュニケーションが大事ですね~」というお話と、なにひとつとして変わらないことなのではないのかなと思いました。
<やまねくん>