2017
03.29

第12回図上訓練に参加して(プレイヤー参加)

事業:その他

「第12回 静岡県内外の災害ボランティアによる救援活動のための図上訓練」 が、3月4日・5日の2日間にわたり静岡労政会館で開催されました。全国の災害ボランティア、行政・社協職員、災害支援団体などから、団体・個人を含め300名以上の参加者が集まる巨大規模の訓練です。ぴっぴは今年も、地域で子育て支援を行う団体としてワーキンググループのメンバー(運営側)、そしてプレイヤー(実施側)の両面から参加しました。今回は、プレイヤーとして参加した視点からの報告です。

開催のようす1

今年度のテーマは「災害時の助けあいと平時のつながりを考えるワークショップ」。第10回開催時からひとつながりのテーマで3回連続で実施された訓練の、最終回という位置づけです。(昨年度の様子

前回、各地域ごとに計画した防災訓練プログラムを、今年度いっぱいかけて各地域で実践し、その報告を持ち寄りました。たとえば、浜松市中区ではこのような形で実施し報告しました(自主防災隊&災害ボランティアがコラボした防災訓練)。

訓練の1日目では、各地域から持ち寄った報告を、地域を離れた各分科会で共有しました。互いにプログラムの良いところを褒めあい、課題や社会資源を共有しあい、より良い取り組みとなるよう提案をしあったのです。

訓練の2日目は、それらを踏まえて、再び地域の参加者グループでのセッションです。想定される困りごとに関して、自分たちにどんな支援ができるか、また外部の支援チームに何を頼めるか、を洗い出しました。その後、関係各機関が壇上で模擬の「情報共有会議」を行いましたが、これは実際の災害時を具体的にイメージできるような内容でした。

開催のようす2

開催のようす3

さて、これまで何度かプレイヤーとして訓練に参加しましたが、毎回再認識し身震いするのは「いざ大規模災害が起きたとき、浜松市の被害は恐ろしく甚大なものになる」ということです。市南部だけでも46,000棟の建物が全壊し、津波の浸水域は広大で20万人以上が避難者となり、指定避難所には到底おさまりきりません。こうした中で、災害ボランティアにできることはとても限られた範囲なのだと痛感することになります。

日頃からつながりのある地域の参加者間で訓練をすることは、連帯感を持てるという意味では意義がありますが、全体の状況を把握することができません。実際の災害時に、地域の混乱した状況の中に身を置いて、外の状況がよくわからないという疑似体験をしているかのような気にもなりました。そうした意味では、ビジターとして会場を自由に見学できる立場で参加した方たちの方が、全体を俯瞰して見る事ができたという声を聞きました。

県外から参加された方からは「静岡県はすごく先進的で、感心しました!」という意見をたくさんいただきましたし、実際にこれだけの規模・内容の図上訓練は他に例が無いようです。(それを準備・運営するワーキンググループの方々の働きには頭が下がります)。図上訓練は来年も開催されるそうです。少しでも関心を持たれた方は、まずはビジターからでも、ぜひ参加されてはいかがでしょうか。

(ずきんちゃん)