2006
06.28

“市民協働”がテーマのフォーラムに参加

会議報告

とうきょう子育てねっと企画
~子育てするならわがまちで!~
 『行政とNPOのきょうどうによる実効性ある子育て支援はこれだ!』
 久しぶりの東京、久しぶりの大学にワクワクしながら参加しました。昭和女子大学で行われた“市民協働”がテーマのフォーラムに参加しました。
◆厚生労働省少子化対策企画室長 度山 徹 氏
 現在の少子化の状況と、国の少子化対策についての最新情報の紹介
◆「計画策定による子育て支援施策の推進の意義と今後の課題」
   淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科助教授 山本 真実 氏
◆「協働にあたって、基礎自治体に求められること」
   世田谷区子ども部長 田中 茂 氏
◆「大学発子育ては、学生育て・GPの取組み」   昭和女子大学
◆ワークショップ「現場からの発信・どんな協働のかたちが考えられるか」
◆感想
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“市民協働”というものが、行政マンの考え方によって、随分変わってしまうものだというのが正直な感想です。“市民協働”のスタイルで、子育て支援がされている地域と、これからされようとしている地域と、できていない地域があり、実現されるには、地域によりかなりの格差もありました。
 愛知県豊田市では、税収が多く豊かな市なので、公共施設などが充実していて、市民が自分たちでアクションを起こさなくても、要望すれば何でもできあがってしまうといううらやましいような状況だけに、NPOなどができにくいそうです。
 ある地域では、行政が、子育て広場事業などを始めたばかりで、市民にそれを一緒にやらないかと誘っても、市民に断られると嘆いていた。
 調布市では、子ども家庭支援センターが中心となって、ファミリーサポート事業、虐待に関する事業、トワイライト事業、ショートステイ事業、産前・産後の方を保健師が訪問する事業、電話相談事業、病中・病後保育事業、親教育(エンゼル大学)事業など、盛りだくさんの事業を実行しているそうですが、協働部分の課題は、電話相談事業の時間延長部分(現在は、9時から17時を、24時間にする)、安全パトロールを市民にボランティアでやってもらうことだと言う。
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北は新潟から、南は長崎までの、行政の人たち、NPOのメンバー、子育て支援をしている、あるいはしようとしている企業の人たちが集まって、自分たちの置かれている状況を発表して、今後の課題を話し合いました。
 先にあげたような行政の状況の中、NPOというと、企業にお金を払ってやってもらう価格とは違って、“NPO価格”というような無償のボランティアが半分で当たり前、手弁当で人件費もまともに出ないようなものと捕らえられがちです。しかし、企業が仕事をするのと同じで、値切られては充分な仕事はできないのだから(企業がやっても、NPOがやっても、経費は同じようにかかる)、“NPO価格”という考え方はやめて欲しい。
 また、「NPOには、行政のできない部分をやってもらう」とよく言われる。“行政のできない部分”というと、例えば、24時間行う事業だと、昼間の時間帯を行政がやって、夜間や早朝の大変な時間帯を民間がやることが多い(しかも、金額は昼間の時間帯と同じくらいで)。また、たくさんの動員が必要な事業の場合、動員を地域の人々やNPOにかけて、仕事は無償のボランティアとなることが多い。
このような“行政のできない部分をNPOに”という考え方は間違っていないか。24時間事業をやるなら、大変な部分を行政がやり、昼間の時間帯などを民間に任せ、たくさんの動員が必要でも、大切な事業をやるなら謝礼を支払うのが当たり前ではないか、という意見もあった。
この件に関しては、世田谷区の子ども部長田中氏は、行政は「公平・公正」に行わないといけないので、きめ細かなサービスができないから、どうしても公平・公正にできない部分を民間がやるという考えが、「NPOには、行政のできない部分をやってもらう」という本来の形ではないかという。
 他に、子育て支援という名目で、産前・産後から過剰なサービスをし、特に母親が“支援の受け手になる支援”を行政はしてはいけないという意見もあった。これは、行政は、「親を育てなければいけない」と言いつつも、子育て支援という過剰なサービス漬けにしてしまっては、母親は、そういうサービスや支援を受けることが当たり前と勘違いして、自立しなくなってしまうということ。自分で何とかできることは、行政が手出しをしてはいけないし、どうにもならないことを支援することで、親を自立させる方向に導くのが、本当の支援ではないか、という意見。
確かに、調布市のように過剰なサービスは、自分の力で問題解決しようとする大人を阻害しているとも言える。現実、どこでも起こっていることだが、“子育て広場”を行政がタダで開放するばかりで、そこに参加する親たちが、自分たちの力でそういう活動ができるように育てることなく終わっているため、実際に、自立して活動しようとしている“子育てサークル”が潰されているのである。行政の支援策や、サービスは、あくまでも、自立を促すための手段であって欲しいと願います。
 また、NPOと行政の協働を実現するためにもっとも大切なのは、“対等であること”だと、ぴっぴの代表原田が発表しましたが、この基本的な意識がお互いにないと、“NPO価格”の問題や、自立を阻害する何でも無料の過剰サービスの問題などが、いつまでも解決されないのではないかと思います。
 たくさんの地域の現状を聞くと、浜松市の市民協働の実現の度合いは高い方だと思いました。更に実現をしていくためには、市民協働について、行政メンバーだけの会合や、民間人だけの会合ではなく、お互いに一緒に意識確認しながら進んでいく必要性を感じました。それは、行政の方の考える市民協働と、NPOや企業の考える市民協働のギャップを感じたからでもあります。浜松の市民協働が、更に“あっぱれ”になるには、行政と市民が対等になんでも 言える関係でありつつ、お互いにより添える気持ちを持つことが必要かなと、ふと思いました。(わかば)