2020
08.13

「小児アレルギー疾患を持つ児の震災への備え」講座開催

事業:防災学習センター

8月11日(火)、浜松市防災学習センターで一般向け学習講座「小児アレルギー疾患を持つ児の震災への備え~何をすべきか分かれば意外と簡単~」を開催しました。講師は、浜松医科大学小児科助教の夏目統氏です。震災という非日常の中、小児アレルギー疾患をもつ児の命を守るために必要な備えを学びました。

 小児アレルギー疾患を持つ児の震災への備え

講座冒頭、東日本大震災時に喘息を持つ人の14~22%、アトピー性皮膚炎を持つ人の55~60%が疾患の悪化を引き起こしたというデータをご提示いただきました。これは、停電のため吸入器が使用できなかったことや、断水により入浴ができなかったことに加え、埃っぽい避難所での生活・受動喫煙などが原因ではないかと夏目氏は指摘しました。震災が起こる前に、吸入器についてかかりつけ医とよく相談する・使用期限が長いチューブ型の軟膏を用意しておくなど、備えの方法・重要性についてご教授いただきました。

 小児アレルギー疾患を持つ児の震災への備え

夏目氏は“アレルギー疾患を持つ児が命の危機に直面する時、保護者がすぐ横にいるとは限らない”と受講者に訴えました。さらに、アレルギーを持つことを周囲の人に知らせ理解してもらうためのサインプレートの活用、子どもにアレルギーの詳細を記載したカードを所持させることの重要性を説きました。その後、センター側から実際にサインプレートとして使用ができる「アレルギーがあります。トートバック」「ぴっぴの防災バンダナ」を紹介。10分以上の質疑応答の時間を経て講座は終了しました。

今回の講座では、インターネット上で手に入れることができる、『災害時のこどものアレルギー疾患対応パンフレット』や『アレルギー疾患のこどものための「災害の備え」パンフレット』がご紹介されました。避難時に持ち出す荷物に、事前に印刷したものを入れておくことで、周囲の人の理解を促すために利用できると夏目氏は述べました。避難所での受動喫煙を防ぐために掲示する、アレルギー疾患を持つ児に対する必要な配慮・対応の周知のため配布するなど活用ができると考えられます。小児アレルギー疾患に関する学びを深めるためにはもちろん、備えにも活用してみてはいかがでしょうか?

(しゅーまっは)

災害時のこどものアレルギー疾患対応パンフレット
アレルギー疾患のこどものための「災害の備え」パンフレット