2020
03.14

防災学習センターで「HUG」

事業:防災学習センター

3月1日(日)防災学習センターでHUGを行いました。講師は災害対応NPO MFP代表の松山文紀さんです。

新型コロナウイルス感染対応で相次いで施設の閉館やイベントが中止になっていますが、防災学習センターでは、これまで予定してきた講座は実施することにしました(残念ながら3月22日の春フェスタのイベントは不特定多数方々が来館する可能性があるため中止となりました)。

ところで、みなさんはHUGをご存知でしょうか。これは静岡県が開発した避難所(H)運営(U)ゲーム(G)をいいます。机上で避難所を運営し模擬体験をします。

防学講座

カードを使って、避難してきた様々な事情を抱える人々を平面図で示された避難所のどこの場所に配置していくか、また、受付、仮設トイレなどをどこに設置すると良いのかなど、各グループのプレイヤーがみんなで話し合いながら決めていきます。様々な事情には、性別や年齢、障害、疾病などの他に国籍などが含まれます。よくある誤解として、避難所運営は行政がやるものと信じている人がいます。行政が出している運営マニュアルを見ると、避難所運営は「避難者の自主運営を原則とします」と記載されているのです。

防学講座1

各グループでは、250枚のカードを使って、その中に書かれている避難者の事情を踏まえて避難場所に配置していきます。中には“イベント”として、「学校からテレビ1台を提供します」などというカードがあり、さて、これはどこに配置するのかなと考えていくのです。

今回は、21名の参加者が、5グループに分かれ、講師がカードを次々と読みあげていきます。講師はカードの半分を使用。かなり限られた時間の中で、配置していくのは各グループのプレイヤーにとってとてもたいへんそうでした。

終了後、各グループをそれぞれが回り、他の避難所ではどのように配置したのかを確認し合いました。そして最後に一人ひとり感想を述べあったのですが、「次々に問題がやって来るので、途中で切れそうになった」、「トイレ、ペットの配置など困った」「記録しておくことはとてもだいじだと思った」などが出ました。講師は、「実際の避難所では、こんなどころではありません。混乱ばかりです。それゆえ迅速な判断が必要になってくるのです。ですから、ふだんから地域を知り、こうした訓練を行っておくことはだいじなのです」と締めくくりました。

実際に災害支援に関わったことがあるからこそ実感のこもった講師の感想でしたが、実際に起きてからではどうしようもありません。余力があるときだからこそ、地域で備えておくことが必要な訓練なのかもしれませんね。

<hiro>