2012
10.14
10.14
本の紹介『モデル、40歳。乳がん1年生。』
「乳がんなんて、もっと年をとってからなるものだと思っていた」
著者が書いているのと同じように思っている人は多いはず。
でも、乳がんにかかる年代は、30代から急増しています。また、日本人女性の乳がん罹患率(病気になる率)は18人に1人と、年々増加している上に、1年間に1万人以上の人が、乳がんで亡くなっているのです。
乳癌がわかった場合、誰もが、「自分はがんにはならないだろう」と思っていたのに、ある日突然宣告されてショックを受けます。そのうそのようなことが、もしも自分の身に降りかかったら……、ということを想像してみてください。
著者の場合は、職業がモデルということで、手術の方法によっては、仕事ができなくなるかもしれないという危機感もあったようです。
仕事に支障がなくても、発見が遅れて、乳房を切除となると、その衝撃も大きくなります。
片方の乳房を切除すると、体の重心が傾いて、とてもつらいということを聞いたことがあります。
そして、乳がんの場合は手術をすれば完治ということではなく、その後もつらい抗がん剤治療や数年間の投薬も必要となるようです。
こういう経験をカミングアウトするのはなかなか難しいことですが、ひとりでも自分と同じ思いをする人が少なくなるように、そして、同じ思いをしている人たちに一緒に頑張ろうというメッセージを送りたいという気持ちが伝わってくる本です。
「自分は関係ない」と思うのではなく、ぜひ経験者の本を読んで、定期検診を忘れずに受診してほしいと思います。
(わかば)