08.27
「実体験から伝えたい被災と再建」を開催しました
8月23日(土)の午前、浜松市防災学習センターに松尾栗園の松尾和広さんをお迎えし、一般向け学習講座「実体験から伝えたい被災と再建」を開催しました。
松尾さんは、令和6年能登半島地震により、輪島市で18年間営んできた栗農園の作業場兼自宅が全壊するという大きな被害に見舞われました。再建の目処が立たない中、栗栽培の経験を高く評価してくれていた企業とのご縁から浜松市への移住を決断され、現在遠州地域で栗栽培の指導に携わっています。
講座では、自己紹介を兼ねて栗栽培を始めたきっかけや農業の現状についてお話しいただいた後、被災当日からのご自身やご家族の状況、備えていて助かったもの、さらには個人や事業に対する支援金についても詳しく語っていただきました。
発災直後はスマートフォンが圏外となり、情報が入らないまま孤立。水などの備蓄があったことで安心感はあったものの、震源地や地震の規模ですら分からない状況で翌日を迎えたそうです。大災害時の備えと情報の確保がいかに重要かを実感させられるお話でした。
支援金については、再出発までの具体的な流れや支援金の割合、市町の対応など、被災者でなければ知り得ないリアルな体験談を伝えてくださいました。移住を決めていたからこその苦労もあったそうですが、松尾さんの前向きな姿勢は、生活再建の在り方のひとつとして参加者の心に強く残ったようです。アンケートでは、「辛い体験を話していただきありがたい」「個人個人の環境は違うが、行動が参考になった」という感想もいただきました。
南海トラフ地震が想定される静岡県だからこそ、被災経験者の声は貴重な学びとなります。特に事業を営む方にとっては、「その時、自分はどう動くか」を考える時間になったのではないでしょうか。
9月の講座では、能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県珠洲市の健康増進センター長として、保健福祉の最前線に立ち続けてきた三上さんに「復興」とは何か、その歩みと思いをお聞きします。ぜひお申込みください。
(makiko)