03.14
一般向け学習講座「生きていれば大丈夫」を開催しました
3月9日(日)、浜松市防災学習センターの一般学習講座「生きていれば大丈夫 ~震災から14年の今、想いを語り継ぐ~」を浜松市福祉交流センターで開催しました。岩手県の釜石東中学校で東日本大震災を経験し、語り部として活動している糸日谷美奈子さん、菊池のどかさん、紺野堅太さんの3名を浜松にお招きしました。一昨年の同時期に開催した講座「釜石の教訓を静岡に」から視点を変え、今回は登壇者それぞれの14年間の心の葛藤や変化、個々の率直な想いを伝えていただく内容でした。
講座の前半は、当時中学1年生だった紺野堅太さんに基調講演をお願いしました。部活動に打ち込んでいた日常が一変した震災の経験や、ハザードマップだけに頼らず自ら避難について考える重要性について語られました。「津波てんでんこ」の呼びかけは、実際に小学生を背負って避難した体験者ならではの力強さがありました。
後半は、紺野さんに加え同中学校の教員だった糸日谷美奈子さんと、中学3年生だった菊池のどかさんに参加いただき、永野海弁護士の進行でパネルディスカッションを行いました。釜石で暮らし地域を支える側として奮闘する菊池さん、働く女性として被災後の経験を語ってくれた糸日谷さん、県外で就職し語り部としての活動に悩みながらも、より多くの人に体験を伝える道を選んだ紺野さん。被災地に足を運び、人との交流を大切にされている永野弁護士の問いかけも素晴らしく、3人の想いに触れることで、災害後の「生きる力」についても深く考えさせられる内容となりました。
参加者からは「同じ体験をしてもそれぞれ感じ方が違うことを知り、一人ひとりに想いを寄せることの大切さを学んだ」「自分の関わる教育現場で今日の話を伝えたい」などの感想をいただきました。3人それぞれの率直な想いは、語り部としてだけでなく一人の人として伝えられ、参加者は自分自身と重ね合わせたり、これからできることを考えたりする機会となったようです。
開催終了後、釜石市に住む菊池さんからの呼びかけで、多くの方に岩手県大船渡市の山林火災への寄付に協力いただきました。被災地域の方々の生活を支えるためには、まだ多くの義援金が必要となるそうです。大船渡市で受付していますので、ぜひ寄付のご協力をお願いいたします。
(makiko)