2025
07.30
07.30
「『復興』とは何か~閖上が見つめた震災14年の軌跡~」を開催しました
7月26日(土)浜松市防災学習センターにて、長沼俊幸さん(宮城県名取市 閖上中央町内会長)と寺島英弥さん(ローカルジャーナリスト・尚絅学院大学客員教授)をお招きし、一般向け学習講座「『復興』とは何か~閖上が見つめた震災14年の軌跡~」を開催しました。
長沼さんは、東日本大震災の際に自宅が津波で流されながらも、ご夫婦で屋根の上に避難し九死に一生を得るという大変な経験をされています。
今回は、長年にわたり東北の取材を続けてこられた寺島さんが質問を投げかける、対談形式でお話を伺いました。
津波に襲われた震災当日の様子、伝承されてこなかった過去の津波被害、過酷な避難所生活と孤立を生んだ災害公営住宅の仕組みなど、被災後の現実とその時の長沼さんの心境を交え、じっくりとお話しいただきました。当時の写真とともに語られる率直な言葉には説得力があり、参加者の皆さんもうなずきながら、熱心に耳を傾けていました。
長沼さんをはじめとする多くの当事者に取材してこられた寺島さんは、「被災した人たちから『復興』という言葉は聞かない」と語ります。長沼さんも「ふるさとの変化に復興ではなく年々『寂しさ』を感じるようになった」と話され、報道で聞く「復興」が、必ずしも被災者の気持ちを反映しているわけではないという現実が伝えられました。
参加者からは「閖上を実際に訪れてみたい」といった感想もあり、新たなつながりや関心が広がる可能性を感じるとともに、語り継ぐことの大切さを実感する講座となりました。
8月は、能登半島地震を経験し、生活や事業の再建で多くの課題と向き合ってきた「松尾栗園」の松尾和広さんをお迎えします。
現在は遠州で再出発しながらも、能登の応援を続けている松尾さんの講話です。ぜひお申込みください。
(makiko)